時空を超えて

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時空を超えてー春男の雑記ー100 ものづくりの話(上)

◆昔、横堀の大政名木の倉庫に、床材加工の職人の佐治やんの仕事場があった。ある時、入って行くとケヤキの玉杢の書院を削っていた。「あんなア、玉杢を一ヶ埋木してるんやが探してみ」ときた。ところがそれが分からないのだ。「分からん […]

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時空を超えてー春男の雑記ー99 暑い夏

◆夏真っ盛りの午後、商店街で果物屋をしている友達に電話をした。「どう売れている?」と聞くと「これだけ暑いと人は外へ出ない様になる。だからうち等の商売はダメ」と言う。良く分かった話である。 ◆プラハの方へ行っていた孫が帰っ […]

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時空を超えてー春男の雑記ー98 鴨が鳴く

◆「落花の雪に踏み迷う堅野の春の桜狩り 紅葉の錦着て帰る 嵐の山の秋の暮」これはかの有名な太平記冒頭の道行文で日野資朝が、捕らえられ鎌倉へ護送される情景である。その何年か前、資朝は、内裏で自分とは同い年であるが既に内大臣 […]

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時空を超えてー春男の雑記ー97 ほしがりません 勝つまでは

◆「父さん疲れた 母さん弱った 兄さん痩せた 姉さん冷えた」之は養命酒の新聞広告のキャッチフレーズだ。成る程と感心した。一般庶民の生活の疲れをこんなに上手に言い表した文言は余り無い。養命酒は薬用酒の宣伝に、こんな人は飲ん […]

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時空を超えてー春男の雑記ー96 セリ市の中から

◆戦後の仲介業者は、仕入れの大半を市場に依ってなされていた。吾々駆け出し店員の仕事は毎日の様に市場に出かける事である。坂磯商店の売り手の間崎徳助さんは、今でも良い印象が残っている人である。一寸兎の様な親しみ深い人で随分お […]

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