時空を超えて

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時空を超えてー春男の雑記ー92 犬も歩けば新着!!

◆「吾が泣くを乙女ら聞かば山犬の月にほゆるに似たると言ふらん」石川啄木の歌である。家の裏の方で、時々ウォーウォーというかなり大きな犬の遠吠えが聞こえる。聞いて見ると、犬の訓練士の養成学校ができているのだ。近頃犬を飼う人が […]

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時空を超えてー春男の雑記ー91 高野聖

◆若い高野聖の僧の私は、一夜の宿を借りた山奥の弧家を、若い女主人に見送られて朝早く旅立ったのであるが、昨日一日の何か不可解な出来事と、美しい女主人の情のある熱心な引止めの言葉を思い出すと、足が前に進まなかった。正午近くに […]

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時空を超えてー春男の雑記ー90 チューリップの球根

◆その頃のオランダはチューリップの新種ブームに沸いていた。球根成金が次から次へと誕生するのだ。アメリカの海軍の水兵さんがその家へ尋ねてきた。親戚の息子である。陽気な彼の軍隊の話に皆いささか興奮していた。ふと見るとその水兵 […]

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時空を超えて−春男の雑記−89 老舗のこだわり

◆心斎橋北詰を一二軒入った東側に、昔から駸々堂書店があった。1933年の創立だから私達子供の時分からあったのだが昨年末からシャッターが降りたままになっていると思ったら、間もなく倒産し、旧店舗は、薬屋に変わってしまった。蛍 […]

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時空を超えてー春男の雑記ー88 立川文庫

◆周防町通りを真っ直ぐ東へ行き、松屋町を過ぎると間もなく上町台地の坂にさしかかる。通称楠坂である。坂の頂上と思われる谷町六丁目位の所で道の真中を楠の老木がふさいでいる。鋸を入れると血色のおが屑が出てくるので、木挽きは怖が […]

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