「成年後見人の首長申し立てが過去最多」というニュースを読み解きました

成年後見人の首長申し立ての件数が2023年に過去最多になったという記事が日本経済新聞に載っていました。15年間で4倍となり、今や申し立てる人が子どもを抜いて首長申し立てが一番となっているようです。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD311ZD0R31C24A0000000/

私見ですが、首長申し立てというのはご本人が判断能力がなくなり生活がままならない事態になっている時に行うことがほとんどかと思います。例えばこの記事にあるように「認知症のためATMで預金が引き出せず栄養失調に陥り室内で倒れているところを発見」といったいわば緊急事態です。

それだけ危険な状態になっているご高齢者が増えているわけです。また、首長申し立てまでに行政と繋がっていない方も実際には沢山いらっしゃるのではないかと危惧しています。そうした方を見つけだすことも今後の課題で、ご近所に高齢者の居場所を作ることは大事かと思います。

おひとり様が増えて首長申し立てが増えるということは後見人が今後ますます必要ということかと思います。

一方で子どもが申し立てる件数は減っています。こちらは成年後見制度の融通が効かない感じが子どもが利用することを減らしているのではないかと私は思いました。民事信託(家族信託)や任意後見契約が広まっているのも影響があるのかもしれません。