家族信託(民事信託)のメリット①ー親の財産の凍結を回避し、柔軟な管理が可能ー

家族信託のメリットはいくつかあります。

その中の1つが
「親の財産の凍結を回避し、割と柔軟に管理することができる」
ことかと思います。

私は成年後見制度も必要な制度だと考えているので、成年後見制度のことを悪く書きたくはないのですが、成年後見制度を使ったらそれまで被後見人が負担していた家族旅行の費用や外食費を被後見人の財産から支出できないということが話題になったことがあります。

まるで犯罪者扱い「成年後見人」で地獄見た家族 認知症の夫を支える妻のあまりに過酷な現実 | 家庭 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)

この記事によると10万円以上の出費は家庭裁判所にお伺いを立てないといけないとのことです。

最近の記事です。家族信託についても言及がありました。こちらの記事の方が専門職後見人の意見もあり、内容に偏りがない感じがします。

夫との温泉旅行のための出費すら認められない…ハズレの成年後見人に当たってしまった妻の後悔 最低限の生活費だけ渡され不自由な生活が続く | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

家族信託の場合は信託する金銭を決めて「信託口口座」に送金して家族である受託者が管理します。


受託者は委託者のために信託契約で定めた信託目的の範囲内で柔軟な財産管理が可能になります。

親の財産が成年後見制度のように家庭裁判所の管理下に置かれるわけではないですから、誰かにお伺いをたてる必要もなく、これまでしていた家族旅行や外食費を信託口口座にあるお金で負担することは可能ではないかと考えます。

しかし、決して受託者が好きなようにお金を使えるわけではありませんし、当然、信託口口座のお金が受託者の資産ではありません。そのあたりの自制が効かない人が受託者になるなら家族信託は向いておらず、むしろ成年後見人制度の方が監視の目があり良いかもしれません。

次回は今回でてきた「信託口口座」の詳しい説明とデメリットというかそもそも「信託口口座」を作ることができる銀行が少ないのでそちらについて考察したいと思います