時空を超えてー春男の雑記ー60 手形手形で今年も暮れて

◆後一週間でお金のある人にも無い人にも、同じ様にお正月がくる。正月には、公営賭博のボート、競輪、お馬ちゃんがひまあり、少し位のお小遣いのある人をねらって一斉に開かれる。テレビなんかで盛んに宣伝し煽っている。パチンコもそうだが、それらのギャンブルに凝る人でも大体一応は目安を付けて遊ぶと言うのが普通だ。中には破目をはずす無茶な人もいるが、それはそれとして。

◆こと商売になると何故か皆さんおかしいのです。辞書を引いてみると、商売とは品物を売り買いして利益を得る。そして生活をすると言う事になるのだが、ここの処大半の人がとことんどうにもならん処まで商売につっ込むのだ。そして債務超過で首が廻らないと言う様な事になると、根本的に考え直さねばならないのではないか。

◆最近私は商売も賭博と同じではないかと思う。勝つ場合と負ける場合があるからだ。損得に金をかけるのを賭博と言うのだから今の時機はそう思って、商売に臨まなければ身を滅ぼしてしまう。

◆今どきの商売を借金でやるのは論外で、やってはいけないのだ。之は金を貸して飯を食っている銀行員が一番感じているようだ。保証協会の融資に依ってこの正月は凌いでも、一年程先では皆蟻地獄に堕ちていく事は明らかだ。良心的な銀行員は、ここの処は歯を食いしばって借りない様にすべきだと言っている。呉れるのではない。次に返済が待っているのだからと言っている。
商売に負けたからとカッカしてつぎ込んで深追いしてはならない。冷静に見切る時は見切らねば仕方がないと私は考えている。

◆然し、これは杓子定規な考え方で、今問題のゼネコンの債務のように・・・。大半の中小企業の融資を受けた人が
『返せません、私等の債務も凍結して呉れ』と言って返済に応じなかったらどうなるだろうか。貸しても返って来てもどっちみち国民の金だ。返済させたら益々不況が深刻になると言ったらどうなるのか。興味深々である。

◆問題はこの度の一連の減税法案で一番先に決まったのは"儲かっている会社の法人税を下げる"と言う事を与野党一致で可決したのだから、何とも言い様がない。菅も菅なら小沢も小沢、緊急対策が遅々として進まない。顔は不況対策より次の次の選挙に向いている。

◆生活に何の苦もない親方日の丸の結構な人達が、赤い絨毯の上で春日遅遅と、どうでも良い事をやり合っている。私達は鍋のお粥に水をふやしてのばすしか芸はないが、ここは何とかしたたかに生きたいと思う。

(平成10年12月20日)