見つけた親の遺言書を捨ててもいいですか?

「見つけた親の遺言書を捨ててもいいですか?」という問いに対しての答えは
「駄目です。相続人の欠格事由となりますから。」
が答えとなります。

相続人の欠格事由については民法に条文があります。
(相続人の欠格事由)
第八百九十一条次に掲げる者は、相続人となることができない。
1 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
2 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
3 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
4 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
5 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

相続する時には遺言書がある場合、民法で決まった「法定相続分」より遺言書にある「指定相続分」が優先されます。遺言書には法的効力があります。
もし遺言書の内容が法定相続分より少ない等の不満があっても捨ててしまうなどをして遺言書がなかったことにしてはいけません。
(そもそも自筆証書の遺言書を開封もしてはいけないのですが。(民法1004条3号))

(遺言書の検認)
第千四条
1 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

もし遺言内容にご不満がある時は
・遺留分を侵害している場合は他の相続人に遺留分侵害額の請求をする。
・相続人同士の話し合いがまとまらない場合は遺留分侵害額の請求調停を家庭裁判所へ申し立てる。
といった流れになります。

たとえ気に入らない遺言書があっても捨てないようにして下さい。

遺言書に関するご相談をかむろ坂行政書士事務所では承っています。
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