「遺贈寄付」を選択した3人の具体例
皆さまは「遺贈寄付」と聞くとどういう印象を受けられるでしょうか?
「お金持ちがするもの」という印象をもっていらっしゃる方が多いイメージがあります。
私は「遺贈寄付」をそのような大層なものとしてとらえるのではなく、街の募金箱に少額をいれるような感覚になればいいなぁと思っています。
少し前になりますが、2024年2月19日の「クローズアップ現代」で遺贈寄付について取り上げられ、実際に「遺贈寄付」をすることを決心された3人の方の例が放送されていたのでこちらで紹介したいと思います。
人が亡くなると遺産の承継先は
・相続人(家族・存続)
・国(国庫)と通常なるのが、今、NPOなどへ寄付する「遺贈寄付」を考える方が増えていると紹介がありました。
「遺贈寄付」は年々増えており令和3年度には分かっているだけでも278億円の遺贈寄付があったとのことです。
〈遺贈寄付のポイント〉
・人生振り返り
・少額でもOK(東京大学は1000円でもOK)
・確かな寄付先か?
・遺留分に配慮する必要性
〈遺贈寄付の役割〉
・多様なニーズに応える
・お金の偏りを是正((例)老々相続になりがちなのを是正、親世代が地方で貯めたお金が子どものいる東京などの都市部にいきがちなのを是正)
こうした遺贈寄付が盛り上がる風潮の背景にコロナ禍で「助け合いの大切さ」を再認識したということがあるそうです。
遺贈寄付に関するシンポジウムでは
「誰かを助けることが自分の幸せに繋がる。」
「(人生の終わりに)人は自分が利他的に生きたと感じたい。」
「これまでの人生お金を稼ぐことばかりを考えていたけれどそうでもなくてもいいのかな。」
と話されている方がいらっしゃいました。
遺贈寄付を選択された3人について特集されていました。
〈Yさん(女性)の場合〉
・定年まで商社でお仕事。海外のプロジェクトをサポート。
・結婚しておらず、子どもはいない
・自分の死後、遺産が国により有効に使われるか疑問(国だと使われ方がよく分からない)
・遺贈寄付をサポートする企業に相談
・気候変動や国際紛争で苦しむ子供たちの助けになりたい
→カンボジアとラオスに病院、子どもの専門の病院を設立するようなNPOを紹介される
・専門家のサポートの下、公正証書遺言を作成し、亡くなった後はマンションの売却益を含め、途上国への支援をするプラン・インターナショナル・ジャパンに全額遺贈寄付することにした。
・少しでもお役に立てればうれしい。
〈Mさん(女性)の場合〉
・子どもがいる
・手書きの自筆証書遺言を作成
・30万円の遺贈寄付を決意(お小遣いを残しておこうかなという気持ち)
・長男さんが遺贈寄付を勧める。「手元に残るお金は両親のお金。こちらに寄こせとは思わない。」
「母親が役に立ったなと思えたらそれはすごい大きな私にとっても喜びになるだろうし、誇りに思えることなのかな。」
・地域や社会に役立ちたい。自分の生きた証、少しでも(世の中の)力になれればと思っている。
・孫たちが通う子ども食堂への遺贈寄付を決意。その子ども食堂は子ども全員を無料にしたので赤字になっている。遺贈寄付が子ども達に役立って欲しい。様々な家庭の事情がある子ども達の居場所を守り続けてほしい。
〈Sさん(2年前に死去)〉
・1億円の遺贈寄付
・犬が好きなので動物愛護団体に全額寄付を希望
・この寄付を基に新たな犬の譲渡センターが作られる。譲渡センターには支援を感謝するプレートが掲げられている。
「遺贈寄付」必要な準備は?注意点は?専門家に聞きました - クローズアップ現代 取材ノート - NHK みんなでプラス
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